ペンテコステ

 

 ペンテコステは、クリスマス、イースターと並ぶキリスト教の三大祭の一つです。「ペンテコステ」なんてへんてこな名前だなあと思われるかも知れませんが、これはギリシャ語で「50番目」という意味の言葉です。元々ユダヤに、過越の祭から50日目に「7週の祭」と呼ぶ小麦の収穫を祝う祭がありました。その「7週の祭」をギリシャ語に翻訳したのが「ペンテコステ」、つまり7週(=49日)を経過して50日目、という言葉なのです。新共同訳聖書では、「五旬祭」と訳されています(使徒言行録2章1節)。旬は10日という意味ですから五旬は50日ですよね。
 この五旬祭、ペンテコステの日に、聖霊(神の御霊、真理の霊とも言われる)が、天から降りました。当時、主イエスの12人の弟子を初め、120名ほどの者が一緒に集まって、主イエスが約束された聖霊が降るのを、熱心に祈りながら待っていたのです。彼らは約束の聖霊に満たされ、神の力を受けて、いっせいに様々な国の言葉で神の福音を語りだしました。その光景に驚いて集まってきた人々に、ペトロが聖書から主イエスについて説き明かしたところ、3000人もの人々がそれを受け入れ、主イエスを信じて洗礼(バプテスマ)を受けました。この3000人の人々は、御言葉の学びと礼拝をささげること、祈ること、信徒相互の交わりを熱心に行い、そうして史上最初の教会をエルサレムに形成したのです。教会は、その後も聖霊に力を頂いてエルサレムを初めイスラエル全土、そして世界中に福音宣教を展開してきました。極東の日本にも500年前に宣教師が主イエスの福音を伝えました。我が国からも宣教師が多くの国々に派遣されています。私たちの属する日本バプテスト連盟からもブラジルに宣教師を送り出し、次いでインドネシア、タイ、シンガポールに送り出しています。
 このように、キリスト教会にとってペンテコステは、聖霊がこの世に降った記念日(聖霊降臨日という)であり、また、教会の誕生日(エルサレム教会創立記念日)になりました。
 ペンテコステは、過越の祭から50日目に行われていましたが、キリスト教ではイースターから50日目に行います。イースターが移動祝祭日(祝う日が変わる)ですから、当然、ペンテコステも移動します。本来ならばイースター、ペンテコステの方が重要な祝祭なのですが、祝いの日が変動するということで、クリスマスのように世界中で祝われる祭にはなりきれないのだろうと思います。
 因みに、2013年は5月19日(日)でした。2014年は6月8日(日)、2015年は5月24日(日)、2016年は5月15日(日)、2017年は6月4日(日)、そして、2018年は5月20日(日)です。

 

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